知的創造物見聞録

今まで見た映画・漫画、聞いた音楽、読んだ本・マンガの思い出を書き連ねています。

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「The Kids are Alright」 The Who

The Whoに触れるきっかけになったのは、今も活動している日本のロックバンド、ザ・コレクターズのライブに触れたのがきっかけでした。コレクターズを初めて見たのが高校2年(だったかな)、3枚目のアルバムのツアーで神戸チキンジョージに来た時。強烈に覚えてるのは、ものすごくお客さんが少なかった事(笑)ヘタしたら10人も入ってなかったんじゃないかなあ。

自分もこの時、自腹切ったわけじゃなくて友達の彼女が行けなくなったから、タダでホイホイと付いていったというなんとも不純な動機。

もちろん音源もなにも聞いた事がなかったんですが、お客が少ないのに一生懸命演奏する彼らにすっかり参ってしまったのです。

で、にわかコレクターズファンになった僕は、雑誌でのインタビューで「The Whoの『The Kids Are Alright』を見て何も感じないヤツはロックが必要のない人間だと思う」ってVoの加藤ひさし氏が言ってたのを見たんですよ。

そりゃあ火が付きますやん。そんなん言われたら。
ロックという幻想にとらわれた17歳ですぜ。
なもんで、ビデオを買って見たわけです。
踏み絵を前にしたキリシタンみたいな気分で。

圧倒。
その演奏する立ち姿がもうやばかった。
冒頭に出てくる「Baba O'Reilly」で完全にThe Whoにイカれました。


身体全体でギターを弾くピートに、なにか自分の道を示してもらった気がしました。
この「The Kids are Alright」は本当に何度も何度も見ましたね。

2時間もないこの作品の長さが逆にこのバンドを知る為にはぴったりなんじゃないかなあと思います。
破天荒なキース(ムーン)の行動はちょっと意味がわからない所もあるけれども、「Who are You」のコーラス録音の際になんとも無邪気にはしゃぐキースこそが彼の素顔なんじゃないかなあ、とも思ったり。

そしてこの「Won't Get Fooled Again」で終わる作品。
これがまた死ぬほどカッコいいんですよねー。


このDVDもなぜか今では販売されておらず、中古品のみで手に入る状況です。
「フーってとりあえずどんなバンドよ?」って方はまずこれを見れば大丈夫!

| 音楽::DVD | 02:56 AM | comments (0) | trackback (0) |

「大阪豆ゴハン」 サラ・イイネス

大阪を描いた漫画といえば、「じゃりン子チエ」「ナニワ金融道」って答えが返ってくるでしょうし、大阪検定の公式教科書でもある「大阪の教科書」にもそう掲載されていますが(笑)、大阪生まれ大阪育ちの自分からするとこの二つはやっぱりどこか「ファンタジック」な色づけがされているなあ、と感じます。

その二つに出てくる登場人物が話す大阪弁は確かにそれっぽいんですけども、この言語特有の独特の間という物を表現できてない気がするのですね。

そこでこの「大阪豆ゴハン」。
週刊モーニング誌に1992年から1998年まで連載されていたマンガです。
日常の「大阪人の会話」を描いた物としては、ダントツと言わざるを得ません。

マンガの中心は大阪のオフィス街の真ん中にある旧家に暮らす
3人姉妹+末っ子弟の日常なんですが、「サザエさん」みたいな感じではなく
もっとベッタベタの大阪的風景が展開されるユルイお話。

「あいつ雨降ってけえへんねやて、スマンの」「ナンジャソラ」

この「ナンジャソラ」の間というのは、多分ネイティブの人じゃないと
理解できないでしょう(笑)

「松本さん」を「マツモっさん」と表記する細かさといい、
「あんなー!!これ内緒の話やねんけどなー!」と2階から絶叫する社長といい
「ああ、あいつああいう人間やねん。よう知らんけど。」と
言い切った直後に逃げる、というオオサカおっさんロジックまでも
完璧に描いてるのはこのマンガ以外、僕は知らないw

テツも桑田さんも確かにオオサカのおっさんには違いないけれども
やっぱりどこか漫画チックに(そしてキレイに)デフォルメされてるんですねえ。

僕がこのマンガの登場人物で大好きなのは
大阪人の父とドイツ人の母のハーフであるヘルムト岩橋(イワハッサン)氏。
金髪で端正な男前で、実態を何も知らぬ他の部署の女子社員には
「ヴィスコンティ様♪」と呼ばれているんですが
なんせ産まれてから一度もオオサカを出た事がない、というだけあって
行動様式はまさにオオサカのおっさんそのもの。
ドアは足で蹴って開ける、社員食堂のウドンの替え玉を頼む、
英語、ドイツ語を操れても日本標準語はしゃべれず大阪弁しかしゃべれない為
会議での通訳は
「そないに銀行もホイホイ首を縦に振ってくれへんので難儀なこっちゃな、と」
緊張感もクソもない内容になってしまうなどもうムチャクチャです(笑)

作者のサラ・イイネスさんが大阪在住かどうかまでは
わからないですけども、ここまで描写できるって事はすごいですね。

寝転んで「あー、だるいのー」と言いながらせんべえかじって
ダラダラとこの漫画を読んでみると、あら不思議、
あなたも「ナンジャソラ」って思わずつぶやいているかもですよ?

しかし、なんでこの名作が今も絶版なんでしょうか。
大阪検定の教科書の著者も、この漫画を知らないなんてありえへんでしょ。
大阪人がどういう生態なのかはこの漫画を読めば一発でわかるのにw

コミックスは全12巻で文庫版は6巻で発売されてます。
もしよろしければ探してみて下さいね。

| マンガ | 12:27 AM | comments (0) | trackback (0) |

「Blow up!」 細野 不二彦

「ギャラリー・フェイク」などで知られている細野不二彦氏ですが、SAXでジャズミュージシャンを目指す若者を描いたこの2巻完結の「Blow up!」はあまり知られていないんではないでしょうか。実際、今では絶版状態で手に入りにくいみたいですね。

主人公は名門ジャズ研がある大学の学生、オサム。
彼は大学を中退してプロミュージシャンを目指す所から物語は始まります。

しかし、このマンガが他の音楽マンガと一線を画しているのは・・

「食えない時期の音楽家の実態」を克明に描いている事なのです。

最近では「BECK」などの音楽マンガが人気ですけれども
あのマンガもそれなりにおもしろいですが、
やっぱりお話がとても大がかりで、ファンタジックな要素も存分に含んでますよね。

ところがこのマンガ、学校をやめた主人公は
まずキャバレーのハコバンを紹介されます。
お姉ちゃんに夢中で誰も演奏なんて聞いていない所で
「渚のバルコニー」をムーディに吹くお仕事。
しかし、道路工事なんかよりもよっぽどワリがいいんですね。
だからそのまま居座ってオッサンになっていく人もいる、と。
「そこであいつが何を感じるか、だ」と紹介した人は言います。

そこをやめたオサムは次は「カラオケの録音」の仕事を経て
アイドルのバックミュージシャンへ。

ここまで演奏という「お仕事」を描いた漫画はまずありません。

「最終的に音楽で食えるようになったもんが勝ち」という
先輩ミュージシャン達に抵抗を受けつつも
「音楽で食っていく」という覚悟をしていく描写はあまりにリアル。

このマンガのラストは
「射殺されたミュージシャンの代役が回ってくる」という描写。
本人が評価されて満を持して大きなステージへ・・・ってエンドじゃないのが
僕にとってはものすごく衝撃でした。

特に途中の大物黒人ジャズミュージシャンが
家に転がり込んでくる辺りのエピソードは
少しでも音楽に対して本気になった事がある人なら
絶対に共感できるはずです。

このマンガ、連載当時は全く知らなかったけれど
そりゃ人気も出ないわな、って思ってました。
だってあまりにリアルすぎて夢がなさすぎるから(笑)

でも、この名作が絶版ってのは納得がいかないなあ。
ぜひ、再版を願います!

| マンガ | 02:25 AM | comments (0) | trackback (0) |

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